捨てる神あれば拾う神あり、というほどのことではないが、場所を変えてパフォーマンスをしていると、シニアのカラオケパフォーマーと出会った。背中にラジカセを背負い、マイクを持って、歌いながら街を歩くというのだ。ずいぶんと大音量で、
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「迷惑といえば迷惑なんだけど、君たち若者はもっとアピールしていいと思う」
と言いながら、ニカッと笑ってみせる。68歳だと言っていたので、職業というよりは、趣味の一環なのかもしれないが、それどころか逆に、
「早口言葉で俺に勝ったら1万円の賞金」
という垂れ幕を背負って歌い歩く企画を行ったとさえ言う。もちろん自腹だ。その行動がツイッターで広がり、テレビ局に取材をされたこともあるという。
カラオケパフォーマーは、年の功を活かして、警察や区役所の役人とも顔見知りということらしく、涼とは違って、いろいろと世渡りがうまくいっている様子だった。
それはそうと、場所を変えたおかげで涼の視野も広がり、そういう目で見てみれば、公の歩道で出来そうな場所はたくさんあった。やってみると観客の反応も良く、カラオケパフォーマーと話していると、勇気も湧いた。5分の演目で2000円入ることも度々あった。
夕方になると小雨が降ってきたので、そこで終わりにした。チップ額のこともあるが、いろいろと得るものの多い日でもあった。
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