Kindleでの書籍を少し訂正して再出版の手続きをした後、涼は楽天koboでの出版の手続きに入った。しかし、Kindleはdoc形式のワードで投稿できたのだが、koboではepub3――イーパブと読むらしい――という形式にしか対応していないらしく、ファイルを変換する必要があるようだった。
 少し調べると、epubという形式は、スマホやタブレットで電子書籍を読む際には必要不可欠な形式であることがわかってくる。ブログなどでは当たり前のことではあるが、筆者が著した文章の折り返しとは無関係に、読者の好みに合わせて折り返し位置や文字の大きさ、行間隔、ページのめくり方、などを調節できる。パソコン、スマホ、タブレット、画面サイズの違う端末に対応しようとすれば、当然必要になってくる機能である。
 その機能は、doc形式やpdf形式では実現できない。epubであるから可能、ということらしかった。電子書籍では、当然使われるべきファイル形式であり、多くの電子書籍に対応できるもののようである。普通の電子出版社では変換できないが、Kindleが、たまたまdocファイルを自動的にepub形式に変換してくれるサービスを持っていた、ということなのかもしれない。
 さて、涼が作成した小説のファイルは、ワードで作ったdoc形式。少し調べると、これをepub3に変換するのは、楽ではないことがわかってきた。epub変換サイトはいくつかあるものの、多くはdoc形式には対応していないのだ。
「小説用の形式なのに、docに対応していないなんて意味があるのか。じゃあ何で書けばいいんだ」
と涼は口を尖がらせる。
 しかし、いずれにしても、epubにしか対応していない以上、涼は何とかしてその変換を行わねばならない。少々ややこしいことになりそうである。




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