面倒だと先延ばしにしていた名刺の発注をやっと行った。両面印刷に対応していると言いつつも、どのサイトも中途半端に涼の希望を叶えてくれないのだ。
「最初から電話をすればよかった」
 名刺業者が1社しかなければ、はじめから電話をするのだが、検索に山ほどヒットするので、そのどれかが希望を叶えてくれるだろう、と思い、延々と調査だけを繰り返してしまった、という経緯がある。涼の希望、というのは、jpeg画像を2枚用意したので、両面印刷した名刺を作ってほしい、というごく単純な希望だったのだが。
 涼は、ひとつの業者に電話をした。その業者は、ネット発注も受けているのだが、両面印刷を依頼しようとしても、画像を1枚しか入稿することができないのだ。
「では、1枚を入稿して、自動返信の確認メールが届きましたら、それに裏面用の画像を添付して返信してください」
と、電話越しにその業者は言った。これは電話で聞かなければわからない裏ワザだ、と涼は思った。むしろ、2枚メールで送らせてほしい、とも思った。
「あるいは、2枚の画像をひとつのファイルとして圧縮して入稿していただいても結構です」
 それもまた、微妙にややこしいものである。ややこしい状況を改善せずにいるということは、両面jpeg印刷、という希望はあまりないということなのだろう。
 とはいえ、ひとまず名刺の発注は済んだ。明日からは沖縄でパフォーマンスを行う予定なのだが、福岡に戻った時には届いていることだろう。

 そして、一昨日注文した製本業者のほうは仕事が早く、本日発送のメールが届いた。しかし、やはり涼がこれを受け取るのは約3週間後である。
「そんなに急いでくれなくてもいいんだけどな」

 そんな涼は、ただいま出張の身支度中だ。
 5/26~6/2沖縄
 6/2~6/14大阪
 の予定である。