涼は今日、博多駅の東急ハンズに来ていた。先日壊れたスピーカーを買い直すためだ。
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商品の回転は早いもので、行ってみると、すでに陳列されなくなっていた。
「もう売っていないんですか?」
と尋ねて店員に在庫引き出しを開けてもらい、残っていた最後の1つを出してもらった。聞かなければ入手できなかったのかと思うと、尋ねるという自分の行動を自賛したくもなった。
明後日には渡米する身であるので、ここで入手できなければ、アメリカで仕事ができないところだった。

「お値段が、ですね……」
店員が調べようとしていたので、涼が先んじて、
「3240円だと思いますよ」
と言った。これを手に入れるのも、かれこれ3回目だ。
「ひとまず、目的は達成だ」
一安心した涼は、あらためて店内を見回す。雑貨店を探索するのは好きな方だ。珍しいものを見て、マジックのアイデアが湧くこともある。
しかし、この日は、遠回しにマジックのアイデアが湧くようなものではなく、そのものズバリのマジックブースが設けてあるのに気がついた。この4月に設置されたというテンヨーのブースだった。

「僕もマジシャンをやっているのですが、ここにこういうブースができたんですね」
驚く涼に、
「そうなんです。テンヨーとしても初の試みで」
と、ブースのマジシャンは気さくに教えてくれた。
「デパートや雑貨店のマジックコーナーにマジシャンをがいればいいのに」というのは涼も何度か思ったことがあったし、いなければ涼自身が、と思ったこともあった。涼自身ではなかったものの、テンヨーがこうして展開していくのは、実に素晴らしいことだと涼は思っている。
こういうショップでの話は尽きない。涼もひとつ実演を見せてもらい、大いに驚かせてもらった。自分もマジシャンでありながら、何か子供に返ったような気分を味わえたのが不思議だった。涼であってもそうなのだから、子供が喜ぶのは当然である。
マジックグッズコーナーにマジシャンがいる、というのは大きな意味がある。常々思っていたことを、この日、涼は体験した。
マジックショップにマジシャンがいるのは当然だが、マジックグッズコーナーにマジシャンがいるのは珍しい。マジックバーにマジシャンがいるのは当然だが、レストランにマジシャンがいるのは珍しい。しかし、こうしてマジックを見ることのできる場所が増えていくことを涼は嬉しく思う。いつもストリートで演じながら、涼はそう思っているのだ。
「また今度買いに来ますね」
涼はそうしてブースを離れた。
何か気持ちのいいものを感じた日だった。
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コメント
コメント一覧 (2)
確かにそれはいてほしいですよねえ?それには同意見です玩具店のマジックグッズ売ってるコーナーにもマジシャンいて実演販売したら最高じゃないですか?
ですよね。
いて欲しいですね。