昨日ハンズに行った涼は、モバイルスピーカを買ったのと同時に、もうひとつ別の買い物をしていた。折りたたみ式キーボードだ。
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bluetoothでスマホと接続できる、便利な持ち運び用のキーボードだ。
開くと、こうであり、
閉じた時には、ボールペンと同じほどのサイズである。軽くて持ち運びもしやすい。ガタつきも感じられず、ボタンを押したときの感触もしっかりしている。精巧な作りだ。
「ただ、enterの位置と、長音(ー)のボタンの位置がちょっと違って、よくミスタイプしてしまうけど」
しかし、それもまた慣れの問題とすれば、非常に良い道具であるように思えた。
値段は6458円と、安くはないが、そう高くもない設定だった。
執筆作業を行う身である涼は、これまでにもいろいろとテキスト作成用の道具を買ってきた。
そのひとつが、ポメラだった。
折りたたみ式であり、画面もついている、テキスト作成専用機である。SDカードでパソコンとのデータやり取りを行う仕様になっている。
折りたたむと、
サイズは、今回のキーボードと同じ程度。しかし、厚みはだいぶ違う。液晶ディスプレイがついているので当たり前だ。
今回のキーボードは、ポメラよりもずっと薄く、ずっと軽い。そして、ポメラよりもキーボードがよく出来ていて、この分野の進歩が感じられた。
「しかも、ポメラよりもずっと安いし」
ポメラは2万円以上もする。もっとも、テキスト作成機とキーボードを比べても仕方のないことだが。
しかし、スマホを自由に使っている今となっては、画面が付属していないキーボードだけのほうが使いやすいものである。
少し前に、小型のキーボードを買ったこともあった。
上がポメラ、真ん中が今回の折りたたみキーボード、下が折りたたまない小型キーボード。
広げてみると小型キーボードが最も小さく見えるが、しかしボタン1つあたりの面積が小さく、ややタイプしにくい。
今回の折りたたみ式は、ボタンの数を少なくしてあり、小さなキーボードのわりに、スペースにゆとりのある設計になっている。
もちろん、折りたたんでしまえば、これだけの差がある。
今回の折りたたみ式がノートパソコンのキーボードとすれば、折りたためないほうのキーボードはデスクトップ用、のようなもので、しっかりとした押し応えの本格キーボードであるので、その違いは好みの差ではある。
「しかし、今になってやっとこういうの出たんだなぁ」
実は涼は、こういうキーボードは、もっとずっと前からあるものだと思っていた。それどころか、今の時代は、折りたためるどころか、曲げることもできるフレキシブルキーボードがあるに違いない、とだいぶ前から思っていた。
曲がるモニター、曲がるテレビ、そんなフレキシブルディスプレイが開発されているという話を聞くと、
「それが曲がったって、キーボードが曲がらなかったらノートパソコンは曲がらないじゃないか」
と思ったものだった。
と、そういう思いでキーボードを探して来たのだが、実情は、キーボードの進化はそれほどではないと残念に思っていたところだった。
「ま、でも、今回の折りたたみ式でも、満足なんだけどね」
またひとつ、出先で使えるものが増えた。
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