ストリートで演じると、道具の消耗が早い。
  であるので、涼はあまりいろいろなグッズを使わずにいたのだが、しかし居酒屋で演じても消耗しないわけではないし、むしろ居酒屋では演じにくいものも多く、渋々と言うべきか、満を持してと言うべきか、涼はギミックものをストリートデビューさせた。
  1日2日使うと、案の定、道具にガタが来た。


  これは『バローネの箱』という、カードケースが小さくなってしまうマジックグッズ。




  何回か箱を開け閉めするうちに、箱が潰れたり折り目が破れたりと、だんだんと原形を留めておけなくなってくる。




  こんなケースでも、トランプ1ダースよりも値が張る。
  いろいろなグッズを触るたびに思うのは、何百回も使うことは想定されていないのだろう。せいぜい10回20回の耐久性のように思える。時に、練習だけでヘタってしまい、本番を迎えられなかったものもある。

  今日またバローネの箱を演じるつもりではあったが、涼は演目をコインに変更した。コインなら消耗を気にしないで済む。



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