料金の二重払いをさせられたとか、速度が遅いだとか(2駅ぐらいならば、ウサイン・ボルトに負けるであろう)、駅が小さいだとか(電停だから当然であるが)、時間どおりに来ないとか(そもそも時刻表が『6分ごと』とざっくりとしている)、都電荒川線にはいろいろと不満を持っていた涼であるが、何度か使ううちに、小回りの効くその便利さがだんだんとわかってきた。
  涼のいる宮ノ前からは、東に行けば5分で町屋に行けるし、西へは大塚で山手線に乗り換えられて便利だ。料金が一律170円(ICカードだと165円)と安いし、何より家から1分という距離にあるので、雨天の時には非常に嬉しいものだった。
  少し歩けば舎人ライナー(とねりライナー、と読むのに驚かされる)の熊野前駅があり、山手線の西日暮里駅と3分で繋がっていて便利なのだが、荒川線が意外に便利で、涼はまだ一度も舎人ライナーには乗っていない。

  それはそうと、仕事の話も進みつつある。庄や以外の飲食店でも、マジシャンとしての仕事ができるようになりそうである。