最近の涼は、飲食客の多い店に入ることが多くなったので、とにかくたくさんの観客にマジックを演じられるように考え、ルーティンを短く短く切り詰めていつ。今では1テーブル3分で演じることもあり、演目のバリエーションは逆に少なくなっている。
  そんなわけで、去年は得意技にしていたスポンジボールは、今年は1度も演じてはいない。3分の演目だと、仮に2度目のリピーターがいても、別のカードマジックを見せるし、3度目にはコインを見せるので、スポンジボールの出番は来ないのだ。
  一方で、出張依頼があると、今となっては15分の演目でも長く感じてしまう涼である。先日行った出張では、コインマジック2演目、カード3演目で15分といったところだったが、これが30分の依頼となると、もう一品は確保しておくべきところだろう。
  そういうわけで、涼は新しくスポンジボールを仕入れた。



  昨年は知らずにいたことだが、スポンジボールは、買ったらまず洗うべきであることを涼は知った。新品は右側の4個のように、縮んでいて、形もいびつである。はじめは涼も、それを知らずに小さいまま使っていたのだが、洗ってはじめて知ったのである。洗うと、左の4個のように膨らむ。そして染料が落ちて色が薄くなってしまうのだが、それはこの際仕方のないことだと諦めることにしている。

  さて、そんな涼は、これから新橋横丁へと仕事に向かう。