東京豚バザールに2度ほど入店した涼だが、それなりに評判が良いようで、
「もう1店舗、系列店でマジックをやってください」
と経営者に言われることになった。涼はすぐに二つ返事で承諾し、昨日から『ふくまめ』に入店することになっている。
 『ふくまめ』も、上野駅からすぐそばの、ビルの4階にある個室居酒屋である。
 上野横丁、東京豚バザール、ふくまめの3店舗をいそいそと行き来しながら、涼は、この日もマジックを繰り返した。忙しいのは好きなほうだ。逆に言うと、ヒマなのは嫌いなほうだ、ということでもある。もっとも、それはどこの経営者も同じであることだろう。自分の店で閑古鳥が鳴くのが好きだという経営者がいるとすれば、カッコウのヒナを取り扱うペットショップのオーナーぐらいのものだろう。

「そういうわけで、今後は『ふくまめ』でも、ご来店をお待ちしています!」




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