昨年1年間の、電子コミックの売り上げが、紙媒体のコミックの売り上げを越えたという。紙のマンガが1600億円に対し、電子版は1700億円であったと、涼は今朝の新聞で知った。
 涼も、Kindleで出版する電子作家であるので、電子書籍の売り上げが伸びているというニュースは、半分は歓迎するところだ。残りの半分は、年々下がっている書籍売り上げ総額に、憂いを感じている。

 少し調べてみると、電子書籍の売り上げ総額は、約2200億円であるというのだが、内1700億円がコミックの売り上げであるのだから、小説や実用書や雑誌の売れ行きは、そうでもないと言えるのかもしれない。電子雑誌は約300億円で、それ以外の電子書籍は約200億円であるようだった。この200億円の中に、涼の売り上げも入っているということなのかもしれない。とはいえ、涼の読者がAmazonプライムで読んでいた場合は(大部分がそうであると想像している)、プライム料金を電子書籍の売り上げとしてカウントしているかどうかは定かではない(カウントしていないと想像する。Amazonプライムは、送料であり、音楽ダウンロード費用であり、ビデオ視聴費用であるが、書籍費用という側面は非常に小さいと思われる)。
 一方、紙媒体の、従来の本は、年々売り上げを下げていて、2017年は約1兆3000億円といったところであるようだった。内訳は、書籍と雑誌が7100億円と6500億円と、だいたい半々。コミックも書籍に含まれるのだろうから、7100億円のうち、1600億円がコミックによる売り上げと解釈するべきだろうか。とすれば、それ以外の小説や実用書などの書籍は、約5500億円といったところだろう。
 電子コミックが、紙媒体を越えたとしても、コミック以外のジャンルでは、紙媒体の5500億円に対して、電子媒体は500億円と、10分の1ほどである。涼は、この10分の1のゾーンの著者であるので、現時点では、まだまだ利を享受できるには至っていないが、今後伸びることは期待できるのかもしれない。
 コミックの分野では、電子媒体が半分を占めることができているのだから、いずれ他の電子書籍も、半分ほどまでのシェアを取れる可能性はあるだろう。と、先々の期待をしながら、執筆をしている今日の涼である。





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