執筆をするときなど、考え事をすることは多々あるが、そういうときの涼は腕組みをしていることが多い。しかし、腕組みをするぐらいであれば、空いている手を有効活用しようと、トランプを握ってシャッフルをするように最近はなった。
 そういうわけで、考え事をするときや、手持ち無沙汰なときは、半ば無意識に、よくカードシャッフルをしているわけだが、やっているうちに、注意がカードのほうに向いてしまうことも、これまた多々あることである。
「うん?今のシャッフルは良くない」
と思ったり、ついでにパームの練習もしたくなったり、
「コインの練習もしよう」
と思ってみたり、
「今のは観客からはどう見えているのかな」
と鏡の前に向かったり。
 執筆中に、両手がフリーになったからトランプを握ったのに、結局はそれがきっかけで執筆から離れてしまうということが多いわけである。
 注意力が散漫な、涼の日々の一コマである。




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