涼は飛行機に乗って、東京の地に降り立った。これから5ヶ月ほどの東京での生活が始まる。
住所は足立区であるが、埼玉県との県境だ。
部屋の窓からは川が見え、この川が県境であるようで、つまり埼玉県までの距離は10mか20mというところである。
部屋のドアノブの鍵に、はじめからサムターンカバーが付いているのは、あるいはサムターン回しでの空き巣被害が多いということなのだろうか、と推理小説家として勘繰ったりもしてしまう。サムターン回しとは、ドアスコープを外側から外してその穴から針金を差し込み、内側のつまみを針金で突いて回して鍵を開ける、という空き巣の手口である。その対策として、針金でつまみを突いても回せないように、円形のカバーをしているわけだ。
このトリックは、防犯グッズが市販されていることからもわかるように、よく現実で行われるトリックであるらしいが、一方で、推理小説の中で行われると、どうにも面白みに欠けるものでもある。より原始的な、針と糸のトリックの方が、よほど面白みがあると、涼は思っているし、おそらく読者は皆そうだろう。
原始的なトリックの方が面白い、というのはマジックも同じであり、最先端の科学トリックは、タネを知ると興醒めするほどつまらない、ということが往々にしてある。であるので、マジシャンは、観客を決して興醒めさせないように、先端トリックは特に注意を払うものである。
「そういうトランプ?」
と、仕掛けのあるカードだと推測されるならばまだしも、
「そういうアプリ?」
と見破られたら、目も当てられない、ということである。
話が逸れてしまったが、これから東京でマジックの仕事を頑張る所存である。
コメント
コメント一覧 (6)
福岡と東京での生活の形は今年で3年目かな?
この生活の形が板についてきましたね^^
今年も改めて、(。◕∀◕。)ノ⋆。оO(㋵㋺㋛㋗おねがいします
【熱烈歓迎】
しかし世界をまたにかけておられましたので福岡から東京など近い近い…とは思いますが、これから数ヵ月間の繁盛と平安をお祈り致します。
近日中に一献しましょう。
そう、3年目ですね。
その間、色々ありましたが、またよろしくお願いします(^^)
確かに、ヨーロッパやアメリカに比べれば近い距離ではありますが、まだまだ都会には慣れない部分も多いです(^^;)
今後ともよろしくお願いします(^^)
東京にお引越しされたのですね!いいなあ。
やっぱり、東京暮らしには未だ憧れがあります^^
しばらくはそちらが拠点になるのでしょうか。
お仕事にも執筆にも、いい環境になるといいですね。
コメントありがとうございます!
見に来ていただけたんですね(^o^)
5ヶ月間ほど、東京を拠点にマジックの仕事をする予定です。
執筆のほうは、あまり手が回らないことになりそうですが、色々と頑張りたいです(^^)