涼は目下、福岡県で執筆作業中であるが、福岡にオープンしたマジックバー、手品家博多店と、同じく福岡にあるマジシャン事務所、マジックテラスと、いい関係を築きつつある。昨日も、マジックテラスの事務所に挨拶に行ってきたところだ。
 この両店は、いずれも、涼のようにすでに活動中のマジシャンよりも、今はまだマジシャンではないが、マジシャンとして仕事をしたいと考えている人材を求めている。

 なんだ、こんな道があったのか、と今となっては涼は思ってしまう。そういう方法に思い当たらなかったので、涼はストリートマジックをやったり、その場所としてヨーロッパを選んだりしたわけであるが、福岡で今からマジシャンになりたい人がいれば、涼はすぐにこの両店を勧めることだろう。

 手品家は、ステージマジックを学ぶことに向いている。マジックバーでありながら、テーブルマジックだけでなく、ステージマジックを見ることができる、というのは手品家の大きな利点であり、その客側の利点は、同時に、毎日ステージマジックを演じることができる、というマジシャン側の利点と一致する。マジシャンのスキルは、タネを仕入れたり、練習したりするのとは別に、何回本番をこなしてきたかによって醸成されるので、とにかく仕事の機会が多いほうがよい。手品家で仕事をすれば、毎日、何回もステージマジックを演じることになるので、とにかくマジックが上達するわけである。
 全くの素人が店員として入ったとしても、1ヶ月も働けば、結構なマジシャンになれる、という話も聞くが、出番が多いことがスキルを鍛えることと直結するから、というのがその理由である。

 マジックテラスは、テーブルホッピングを学ぶことに向いている。ホッピングの難しいところは、マジシャンの側から観客にアプローチせねばならず、マジックを見るかどうか、料金やチップについて、自分で交渉しなければならない点にある。このスキルは、マジックバーで仕事をしていても、1度も求められることがないスキルであるし、全く上達しないスキルでもあるだろう。
 通常、ホッピングマジシャンは、同業者の仕事ぶりを見る機会が極めて少なく、自分が考えてよい方法を探っていくことは多くても、誰かに習う機会はあまりない。数人のマジシャンが同じ場所で仕事をするマジックバーと違って、他人に学ぶことが非常に難しいという職種でもあるだろう。 
 しかし、マジックテラスでは、この点の教育をしっかりしていて、きちんとしたチップ額が稼げたり、きちんと営業を取れたりするようになるまで、指導してくれる。ホッピングマジシャンとして、重要なスキルがきちんと学べる、極めて稀な場所でもある。

 ついでに言うと、ストリートマジックをやれば度胸がつく。言うまでもなく、おススメである。

 どの方法でも、とにかく、たくさん演じることが上達のためには必要不可欠である。
 1000回練習して、1000回本番をこなす。そうやって、マジックは上達していくものであるだろう。



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